サブウェポンや役割破壊を受けやすいポケモンは立ち回りや裏への負担を楽にする話

例えばの話。めざ炎持ちのカプ・コケコとナットレイが対面した場合、カプ・コケコは何の技を打つでしょうか?

 

まぁ、めざ炎ですね。十万やシャインが打たれにくい対面であることは、感覚的に納得できるかと思います。役割破壊を受けやすいポケモンは、逆説的に言えば相手の役割破壊技を誘発する性能があると言えますね。

 

この対面はナット側はめざ炎をケアするため、地面タイプや水タイプに引くことになります。ついでにコケコの炎引きにも対応できるため両対応ですね。ここでめざ炎を打たれていれば次サイクルからもめざ炎をケアしなくてはいけませんし、打たれていなければケアする必要がなくなります。まぁ実際にはめざ炎があってもボルチェンを打っているかもしれないだとか、めざ炎打たれても突っ張れるとかそういう話もありますけども、例なので細かい整合性は無視する方向で。

 

次にめざ氷持ちのカプ・コケコとラランテスが対面した場合を考えます。フィールドは存在しないものとして仮定。この対面、カプ・コケコはめざ氷を打つでしょうか?

 

こうなると答えは分かりません。めざ氷を採用していたとしても、サブウェポンを隠す意図や引かれた時の後続負担を考え、ダメージのそう変わらない電気打点を放っている可能性があります。相手の意図が読めない以上こちらはいつまでもメインウェポンと役割破壊の両方のケアをし続けなければいけません。結果として立ち回りにかかる負担が大きくなってしまいます。

 

更に、もう一つ。メインウェポンは普通、サブウェポンよりも遥かに火力を出すことが出来ます。サブウェポンは耐性受けしてしまえばほとんど裏に負荷はかからないんですけども、メインウェポンを複数回喰らえば、耐性受けしても次第にサイクルが疲弊してしまいます。一種の役割集中ですね。そういう意味でも、メインウェポンを打たれ得るポケモンは後続にかける負担が大きくなってしまいます。

 

耐性が平らなポケモンは相手がどの技を打って来るのか見えにくいので、立ち回りが難しくなります。クレセリアグロウパンチを持ったガルーラ等、単タイプで採用率の高いポケモンに居座る性質が強いのはそういう理由もあるのかもしれません(ダブルの話)。逆に言えばどの技を打つのか分かりにくいポケモンを採用すれば、相手の立ち回りを揺らせる可能性があります。複合タイプは強い。揺らすことが不利に働くこともあるので難しい所ですけどね。

 

四倍弱点持ちは役割破壊されやすくて安定しにくいなんて言われますが、両視点立ち回りを一致させやすいのでむしろ安定させやすいのかも? 耐性がピーキーポケモンは相手の打点が透けやすくなります。ヒードランが強い理由の一つにそういう所もあるのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は受ける側視点の話でしたけども、攻める側視点からもどちらの打点を打てばよいか見えにくいという話もあります。裏目を引きにくい拓ですけどね。両視点の立ち回りが一致するポケモンは行動を噛み合わせやすいという話にも繋がったりします。地雷枠として必要な要素のお話にも繋がったり。(珠ブシンやチョッキスイクンなんかが良い例ですね)。

三竦みと両対応

まずはシングルの話。

 

前提として、ポケットモンスターにはタイプと呼ばれる概念が存在します。炎水草等のアレですね。タイプには相性が存在し、相性の優劣により有利不利が発生します。中でも水電気地面の三タイプは、三竦みの関係として良く取沙汰にされます。グーチョキパーの関係ですね。

 

ロトムというポケモンは、タイプが優秀なポケモンとされています。それは電気タイプでありながら地面に強いポケモンだからです。グーでありながらチョキの性質を同時に持っている。偉いですね。

 

6世代のガルーラにも似た性質がありました。グロウパンチ+αで強烈な崩しを行うこのポケモンは、受けることが非常に困難であり、最強の対面性能を持ちながら同時に強力な崩しの駒にもなり得ました。グーとチョキの同時持ち。まぁ、強いわけですね。

 

ロトムメガガルーラに共通しているのは、相性によるじゃんけんを回避しているということです。いわゆる両対応ですね。お互いにじゃんけん勝負を初めてしまうと五分の勝負にしかならないため、両対応のメタカードで拓を回避しているわけです。偉い。……まぁ、シングルだと言うほど両対応は出来てないんですけども、それはそれ。あくまでも要素としてのお話。

 

次はダブルの話。シングルでは場に一体しか出せないので単体でじゃんけんを回避する必要がありましたが、ダブルではその限りではありません。二体並べて水電気打点を同時に放てば良いからです。サンダー+カプ・レヒレであり、カプ・コケコ+ミロカロスですね。これで相手の水+地面のサイクルに対し両対応が可能になります。強い。

 

要は何が言いたかったのかというと、拓は回避しようということ。三竦みの内の二要素を同時に放てば、自然に両対応の形となります。(逆に言えば一要素しか持っていない並びは、性能は高くても偉い並びとは呼べないのかも?)。……実際には守る拓や隣のポケモンの存在もあってそう簡単にはいかないんですけどね。完全に拓ゲーを拒否したい人生だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

余談ではありますが、拓を回避する方法としてメタカードの外のポケモンを使うという方法もあります。例えば草タイプは水電気地面いずれにも有利を取れます。六世代ではガルーラ軸のメタとして一時ヤミアスドランという並びが流行りました。こちらの手法はミラーの解決も出来るという点で優れています。こっちはこっちで別の問題はありますけどね。別の竦みが発生したり、そもそもの性能が高くなかったり。どう捉えるのかは諸説。